私は年に数回、健康博覧会のような健康産業のイベントに行きます。
すると、そこには数え切れない程の健康業者が自分達の商品を宣伝するブースを構えています。
その中のいくつかの業者がよくやっている宣伝方法に、血液診断というものがあります。
具体的には、針で指先に小さな傷を付けて、血液を一滴採取します。
それをプレパラートというガラス板にはさみ、それを顕微鏡で拡大し血液の状態を見るのです。


上のような感じです。
それから、まずその会社の健康食品なり、健康器具なりを使う前の血液の状態を見せます。

そして、「見て下さい!あなたの血液、すごくドロドロですよ。こんなに赤血球がくっついちゃってる!
このままじゃ、いつ血管が詰まってしまうか分かりませんよ」というようなニュアンスの事を言います。
次に、「この製品を飲んでから、もう一度見てみましょう」、もしくは、「この製品を身に付けてからもう
一度見てみましょう」と言います。
そして、下のような写真を見せるのです。

最後に、「どうです!こんなに血液がサラサラになりました。赤血球がバラバラに離れているでしょう。
つまり、この製品を毎日使用していれば、脳梗塞や心筋梗塞の予防になるんですよ」と言われたら、
思わず買いたくなりませんか?
ところが、これにはあるトリックが使われているのです。
プレパラート(ガラス板)に付ける血液の量を多くすれば、上の写真のように赤血球はくっつくのです。
そして、プレパラートに付ける血液の量を少なくすると、下の写真のように赤血球は離れるのです。
単純に赤血球の数を見ても、明らかに上の写真の方が比較にならない程、多いのがお分かりになる
と思います。
つまり、写真上で赤血球が連なるのと血液ドロドロには何の関係もないのです。
単に、測定する血液の量の違いに過ぎないのです。
それと、もうひとつ、赤血球の形状がトゲトゲに変化をしてしまっている写真を見せるパターンがあります。
こんなのです。

これが、下の写真のようになるのです。

これは、どう説明すれば良いのでしょう?
本当に、その製品のおかげで血液の状態が改善したのでしょうか?
いいえ、これもあるトリックを使えば簡単に出来るのです。
それは、血液を空気に触れさせておく時間を、少し長くするだけで良いのです。
空気に長く触れさせた赤血球は、傷つき変形してトゲトゲの形状になってしまうのです。
最後になりますが、血液がザーと流れる映像をテレビで見たことがある人は多いと思います。
MC−FANという機械なのですが、あれはどうなのでしょう?
ちなみに、こんなのです。

上の写真は、血液がドロドロでうまく流れていない状態です。
それが、ある健康食品を飲んでしばらくして測定したら、下の写真のようにサラサラと流れるようになった
りします。

これは、どうしてなのでしょうか?
その製品が血液の状態を即効で改善したのでしょうか?
いいえ、これにもあるトリックが隠されているのです。
それは、以下のようなものです。
健康食品を飲む時は、必ずと言って良いほど一緒に水を飲みます。
そして、水を飲むことによって、血液の粘度は落ちてサラサラになるのです。
余談ですが、脳梗塞予防の為に、寝る直前にコップ一杯の水を飲む事を医師が勧めたりするのは
そのためです。
それは、睡眠中に汗をかいて血液がドロドロと粘度を増してしまうのを予防するためなのです。
それほど、水分補給と血液の粘度は関係するのです。
本題に戻ります。
ですから、水で飲むのならば、何を飲んでも、または何も飲まなくても、一時的にならばサラサラになる
という訳です。
しかし、それはあくまで一時的に水分が増えたからであり、汗をかいたりして水分を放出してしまえば、
元の状態に戻ってしまいます。
もちろん、中性脂肪値もコレステロール値も下がってはいません。
また、瞬時のストレスが掛かるだけで、MC−FANの中の血液の流れには影響が出て詰まってしまう
のです。
つまり、MC−FANという機械の中の血液の流れと実際の血管の中の血液の流れを同一視することは、
全く無意味なのです。
結論を申し上げますと、体内の血液の状態とこれらの写真に写る血液の状態とは何の関係もないのです。
上のような写真を見せられて商品を勧められても、くれぐれもうのみにしないよう気を付けて下さいね。
ちなみに、これらの事実は、「主治医が見つかる診療所」というTV番組内でも、医師達によって確認されて
いるのです。
また、「ためしてガッテン」というNHKの人気番組でも検証されています。
どうぞ、ご確認下さい。
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